私はマンションに住んでいますが、部屋が西向きで植物を育てる光を十分確保できない上、風も強いためベランダでの栽培が難しい状態にあります。
そこで、畑に植える野菜は、部屋内の自作の育苗システムで準備しています。
導入してから、苗がかなり簡単で安定してつくれるようになったので、これをベースに、部屋の中で野菜がつくれないか試みようと思います。
まず今回は、どの程度の光が確保できているのか調べてみました。
▼ 自作した育苗システム(市販品を組み合わせるだけで超簡単!)
- 室内で野菜を栽培するには、まず光補償点と光飽和点を把握する。
- 照度計のスマホアプリを発見!試しに部屋の中を測ってみる。
- 実際の育苗システムの光の強さはどうなのか?
- 意外と光が確保できていることを実感!レタス生産は十分可能。
室内で野菜を栽培するには、まず光補償点と光飽和点を把握する。
まずは、室内で野菜を栽培するにあたり、その野菜がどの程度の光量を必要としているか?光補償点と光飽和点の把握です。単位はルクス(㏓)。
最低でも光補償点以上であることと、光飽和点を目標に光を確保すれば、よりしっかりと育つというのが、基本の考え方になりそうです。
さらに、野菜によって、光補償点と光飽和点はさまざまです。
例えば、トマトなどの日当たりを好む「陽性植物」は、両方の数値が高め。
逆にミツバなど日陰を好む「陰性植物」は、両方の数値が低めです。
植物工場では、コスト面から陰性~半陰性の野菜が採用されているようです。
個人の方のサイトで、多くの植物の光飽和点と光補償点がまとめられており、
とても参考になりました。
(単位:lx)
レタスを基準にすると、意外とイチゴもなんとかなりそうな感じ。
トマトは光補償点から高めで、栽培が難しそうな感じです。
他、小松菜やチンゲンサイは飽和点が意外と高いなど、勉強になりました。
照度計のスマホアプリを発見!試しに部屋の中を測ってみる。
光の強さをはかってみたいけど、わざわざ照度計を買うまでもないなあ。
調べていたら「Smart Luxmeter」という、スマホアプリを使う方法を発見!
だいたいわかれば良いやと思って、早速ダウンロードしてみました。
まず、家の中をあちこち計測してみます。
ライト直下と部屋の端でも数値は大きく変わるので、あくまでも参考です。
- ライトをつけたリビング: 約2800lx~300lx
- 暖色ライトのトイレの中: 約1600lx~150lx
- 暗い廊下: 約20lx
ちょっと手元が暗いかな?と思う程度で300lxぐらいの印象でした。
1月午前11時前の西側の窓際は・・・なんと365ルクス!え?低っ!
畑をはじめた当初は、ここにトレイを並べて苗をつくっていたんです。
その結果、こうなっていました。完全に光量不足ですね。納得。
今回つくった育苗システムの光の強さはどうなのか?
いよいよ本題。育苗システムの光の強さを測ってみます。
今回調査したのは、育苗システムで使っている、二種類のライトです。
共にコトブキ工芸の観賞魚用、LEDライトです。
- 上: フラットLED300(光束:385ルーメン)→ 廃番
- 下: フラットLED HL3042(光束:550ルーメン)→ 現行品
機種によりレッドやブルーなど個別点灯もできますが、今回は全灯で調査です。
また、光がもっともあたる、ライト直下で計測します。
ルーメン(lm)とルクス(lx)の違い:
LEDライトは、単位がルーメンになっています。
これはライトから発せられる光の量(光束)。数値が高いほど、明るくなります。
一方、ルクス(lx)は、照らされている場所の光の強さになります。
同じライトでも、離れれば当然暗くなっていくので、実際に測るしかありません。
ライトまでの高さ約23㎝の場合(育苗システムの標準棚)
フラットLED300(光束385ルーメン): 16620ルクス
* 10000ルクス以上は、数値の脇に×10の表示が加わります。
フラットLED HL3042(光束550ルーメン): 22390ルクス
* 10000ルクス以上は、数値の脇に×10の表示が加わります。
ライトまでの高さ約48㎝の場合(鉢植えを想定)
フラットLED300(光束385ルーメン): 3863ルクス
フラットLED HL3042(光束550ルーメン): 4232ルクス
意外と光が確保できていることを実感!レタス生産は十分可能。
テストで栽培中のリーフレタスグリーンです。ライトはHL3042を使用。
レタスの葉先、光源から10㎝離れたところで、54000~38000ルクスありました。
レタスの光飽和点が40000ルクスなので、やや強めなのかも知れません。
しっかりと光が確保できており、実際、生育も順調です。
その他、水菜、春菊、わさび菜、ミニチンゲンサイや二十日大根もテスト。
これらは36穴トレイで栽培してみたのですが、混みあってしまいました。
9㎝ポットをベースで、株間を調整できるようにした方が良さそうですね。
こちらも生育は順調です。
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測ってみることで、意外としっかりと光の強さが下まであることを実感!
レタスなど丈の低い葉物類であれば、栽培することは十分可能な印象です。
レタスなら、葉肉や色など、いろんな違う種類をつくってみたら面白そう。
目標はやっぱり果菜です。
ライトを二本にするなどして、光をよりしっかりと確保できるようになれば、
トマトやキュウリもできるのでしょうか?
今の育苗システムのスペック範囲で、工夫して試してみようと思います。
▼ というわけで、トマト栽培をやってみました!その結果は!?